資金調達
無借金経営が絶対に良いか?
「当社は無借金経営です。」と自慢している経営者の方がいらっしゃいます。未来永劫、自己資金のみで事業を継続できればそれに越したことはありません。しかし、普段から金融機関との「お付き合い」がないと、いざ必要になった時にすぐに貸してくれません。 金融機関はお金に余裕がある企業に貸したいと思っています。お金が不足する前に、つまり、お金があるうちに借りることも重要です。 金融機関との日頃のお付き合いは大事だとよく聞きますが、「お付き合い」とはどういうことでしょうか。 金融機関のいう「お付き合い」又はお取引とは、お金を借りて金融機関のもうけである利子をつけて返すことを言います。「お金を借りてキチンと返す」さらに「金融機関に利子を支払う」ことで、企業の信用は 金融機関の信用格付け情報 に反映されていきます。
メインバンクは頼りになるか?
中小企業にとってメインバンクは頼りになるのでしょうか。ひとつの銀行に頼っていては、将来の資金調達のリスクは拡大します。 ひとつの銀行で入金、出金をしていると、自社の資金の流れを銀行に完全に把握されてしまいます。いざ資金が必要になっても、資金繰りの悪化を掴まれていると、新たな借入れが難しくなります。従って、入金の銀行と出金の銀行は別の銀行にするような工夫も必要です。
信用格付をご存知ですか?
信用格付とは、取引先の企業をランク別に分類することです 。 銀行によって異なりますが、大体 10から20段階程度の区分をしています。この信用格付を元に、融資実行の可否及び、金利基準の決定が行われます。ですから、信用格付を上げておくことが、銀行融資を受ける上で極めて重要です。 例えば、 ① 黒字であっても融資が出ないケースもありますし、 ② 赤字であっても融資が出るケースもあります。これは、 ① 黒字であっても信用格付が低い 、② 赤字であっても信用格付が高いことが主な理由と考えられます。 信用格付の方法は、 過去 2~3期分の決算書データを元にし、銀行独自のスコアリングシステムによって行います。決算書の他、資産の時価評価、経営姿勢や後継者の有無など、計数以外の評価も加味して行われますが、 基本的には決算書の数字が非常に重要です。
中小企業融資の審査基準とは?
中小企業融資を受ける際、どのくらいの金額を貸すかということは、具体的に法律で決まっているわけではありません。 公的な融資制度に限度額 8,000万円と記載があっても、必ずしも「限度額の8,000万円を貸してくれる」ということではありません。 金融機関がいくら貸すかは、「 貸す側が審査基準に従って決める 」ということです。中小企業融資の審査基準となるのは下記のような項目です。
業界動向 | 企業の属する業界の動向、同業他社の経営状況。 |
与信・格付け | 売上、利益、経営者個人の与信、保証人、担保状況等。 |
銀行対策の変化 | 担当者・支店長の交代、支店の統廃合、貸し出し方針の変更。 |
過去の借入れ状況 | 既存の借金残高、借入時期、借入先の種類等。 |
申請時期 | 決算からの経過時期。資金需要時期との整合性。 |
経営者の資質 | 計数能力。プレゼンテーション能力。 |
事業の将来性 | 事業計画書の内容。数字の根拠。 |
上記のような判断基準に従って、金融機関は貸し出し金額を決めています。大半の項目は、企業の自助努力により変えることができる項目です。これらの項目で評価を上げることが、 融資を有利に進める重要なポイント となります。
融資に有利な決算書を作成するためには?
中小企業では、決算書の作成を税理士に依頼しているケースが多いと思います。しかし、金融機関からの融資を意識した決算書を作成するためには、信用格付を高くできる決算内容にする必要があります。資金調達でお悩みの企業様は、決算書を作成する前に、 当社にご相談下さい。
公的融資制度一覧:全国、地方で募集されている助成金の一部をご紹介します。
(募集する機関にリンクされていますのでご活用ください)